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忘れてますよ
町を歩いていたら、前方からとても綺麗な女の人が歩いてきた。
美人なだけじゃなく、背も高くてスタイル抜群。服装もとても素敵だ。
すれ違った後、つい振り返って眺め直した瞬間、私はダッシュでその場を駆け出した。
正面から見た時は、羨ましいくらい細くて長いなぁと思ったその人の足。それが、振り返って見た時には消えていたのだ。
ファッションの具合とかじゃない。間違いなく、女の人には両足がなかった。
そういえばこの道、結構前に人身事故があった踏切に続いてた。そんなことをふと思い出した時、ちょうどその踏切が見えた。
何かの前衛的なオブジェ。そうとしか見えないモノが線路の真ん中に立っている。でも私にはその正体が一目で判った。
さっきの綺麗な、多分幽霊のお姉さん。…足、忘れてますよ。
忘れてますよ…完
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