2 佐伯舜

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「何故か口から勝手に出てきたんです……」 何この子、不気味。 それから三日後のサークル活動の日。 「佐伯さん、こんにちは!ゴミ拾い、お供しても良いですか!?」 呼ばれて振り返ると、三日前の小さな不気味な女の子が笑顔で立っていて俺は目を見開いた。 「……こんにちは。別に良いけど……」 ここで嫌だなんてキッパリ言えるヤツ、居るか? 「あの、まず自己紹介して良いですか?」 彼女は勝手に会話を始める。 「……どうぞ」 どうして君が俺の名前を知っていたのか気になるしな。 名前聞いたらピンとくるかもしれない。 「私、一年北沢奈々、十九歳です」 「え」 俺は言葉を止めた。 名前には一切ピンと来ない。 年齢が気になったから。 でも「え」と言葉に出した後、気付いた。 彼女が浪人生だったら失礼な返しをしてしまった、なんて。
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