1 北沢奈々

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男は私を鋭い眼光で睨み返してきた。 そして手を上に思いきり振り上げる。 殴られる! そう思った私は目をギュッと瞑った。 「お前が悪い、酔っ払い」 それと同時に、低い声が飛んできた。 恐る恐る目を開けると、酔っ払いの手首を掴んでいる男の人。 バクン! 突然心臓が大きく跳ねた。 突然現れた彼から目が離せなくなった。 私の心臓が暴れ続けている。 全身が異常な程熱い。 何、コレ…… 「(しゅん)……?」 身体の違和感を感じた次の瞬間、何故か勝手に口から出てきた。
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