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母のために何度も諦めようとした。
兄だと思おうとした。
でもこの想いを捨てられなかった。
諦められなかった。
だって毎日目の前に居るんだもの。
忘れたくても、忘れられない……。
それに私達は血は繋がっていない。
母が再婚したからといって、戸籍上兄だからといって、なんで私がメグに恋をしていけないの?
私は必死に諦めようとしているのに、母が父と幸せそうなところを見せられたら、自分の事しか考えていない母に段々と腹が立ち始めた。
その日から私のこの恋は最初から呪われているのだと思うことにした。
メグと同じ中学校に通うようになった頃、思春期のせいだろうか、メグと手を繋いだり、抱き締めあったりしたい衝動に襲われる。
襲われるのは他にも理由がある。
「純、一緒に学校行こ?」
メグが最近私に格段と優しくなったから。
宿題を見てくれたり、話をしたり、一緒に買い物に行ったり。
「純はすぐ迷子になるから手を繋ご」
優しい顔をして、まるで恋人みたいに接してくるから。
しかもメグは二年前から成長期に入り、グンと背が伸びて今では一八〇センチ近くもある。
顔は奥二重、シュッと長い鼻、街や学校でもメグを目で追っている女性をよく見かけるほどの容姿にまで成長した。
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