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キミドリが小学校1年生から4年生になるまでの約3年間、緑さんと真希さんは毎週お互いの部屋を行き来していていた。
真希さんは母親と息子と3人暮らしで、息子はキミドリの二つ年下だった。
その息子は名前はタカヤくんというのだが、目が顔の半分を占めるほどに大きく、その目はつり上がっていて、髪の毛は茶色く猫っ毛だった。
その容姿を見た緑さんが、キミドリの持っている絵本「猫のミーヤン」に出てくる主人公のミーヤンという猫にそっくりだということで、緑さんもキミドリもずっとタカヤくんをミーヤンと呼んでいた。
緑さんと真希さんは、キミドリが5年生に上がる頃にぱったりと会わなくなった。原因は今の今まで全く分からない。
付き合い上、親に連れられて部屋を行き来していた時にはなんとなく一緒に遊んでいたが、特段仲が良いわけではなかったミーヤンとは、それ以来会うことはなかった。
キミドリは、先ほどバイクで走り去った人物は、もしかしたらそのミーヤンなのではないか、と思ったのだった。
一度そう考え出すと、バイクにまたがる細い腰も、がに股気味に開いた両足も、ヘルメットから少し飛び出した茶色い後ろ髪も、ミーヤンの成長した姿に思えてならなかった。
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