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土手沿いに咲く満開の桜の中、キミドリは自転車を走らせた。
高く澄んだ青空の下、朝日に照らされキラキラと輝く川面も、襟元を過ぎるまだ冷たさの残る風も、その風に流れる髪の感触も、手の違和感を忘れるぐらいの爽快感を運んでくれた。
学校に近づくにつれ、キミドリの意識は手の気持ちの悪さから次第に今日のクラス替えの方へと流れていった。
2年生の時のクラスで、カエデ、チカ、マイカ、ユウナという友人ができ、キミドリを含む5人グループで親しくしていた。
1年生の時に希薄な友人関係しか築けなかったキミドリにとって、くだらない話しで盛り上がれたり、気になる男の子の話を心置きなくできるそのグループは居心地が良く、クラス替えによって離ればなれになるのを非常に残念に感じていた。
できれば5人一緒のクラスになりたいと思っていたが、さすがにその可能性は薄いと感じ、キミドリの目下の願いは、グループの中で一番仲の良いカエデと同じクラスになることだった。
自分の手が変化してしまったことも、真っ先にカエデに伝えるつもりでいた。
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