第7話 体育の授業

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「あと、こうやって、腰を使って…」 「きゃはっ!あっ…先生!くすぐったいっ…!」 北村先生の手が腰に触れると、翔太はくすぐったさのあまり、身をよじって笑い転げた。 先生は、一瞬びっくりして、パッと翔太から手を離すが、すぐに気を取り直し、 「こらっ!真面目にやれ!」 と言って、再びフォームを正そうと、後ろから抱き抱えるように両腕を掴む。だが、翔太は変なスイッチが入ってしまい、ちょっと触られただけで、くすぐったくてたまらない。 「あはっ!す、すみませ…きゃははっ!」 ただでさえ、体育の成績が悪いのに、これ以上先生を怒らせたら、大変だ。翔太は必死で笑いを堪え、何とか先生に言われた通りのフォームを作った。 「そうだ、その姿勢のまま、思いっ切り投げろ!」 「はいっ!」 翔太は元気良く返事をする。 腰を捻って、手首のスナップをきかせて、渾身の力を込めて投げた。 ところが、ボールはあらぬ方向に飛んで行き、北村先生の顔面を直撃しそうになる。 「わぁっ?!」 先生は慌ててそれを避けた。 「わ!ごめんなさい!」 翔太は謝ったが、北村先生は諦め切った表情で、こう言い放った。 「もういい!お前は補習授業だ!これから一週間、毎日放課後練習しろ!」 「えーっ!」
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