第7話 体育の授業

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「どうしよう…なんか怖いよ…」 漠然とした不安感が翔太を襲う。 直矢が翔太の手をぎゅっと握った。 「大丈夫、大丈夫だよ」 そう言う直矢の目にも不安の色が浮かんでいる。 二人が途方に暮れていると、何やら人の話し声が聞こえてきた。 「や…先輩っ!ダメですよ!こんな所で…っ」 「いいだろ?どうせこんな所、誰も来やしないさ」 翔太と直矢が声のする方を見ると、四年生の先輩が二年生の先輩を地面に押し倒している所だった。 話しかけてはいけない雰囲気が漂っていたが、他に選択肢はない。 「あの…、すみません」 「わぁっ?!」 翔太が話しかけると、二人は飛び上がって驚いた。 「僕達、道に迷ってしまったんですけど、寮に帰るにはどう行ったらいいか、わかりますか?」 「りょ、寮なら、この道を真っ直ぐ行って、右に曲がったら直ぐだよ」 四年生の方が教えてくれた。 「どうも、ありがとうございました!」 翔太と直矢は、先輩にお礼を言って、寮への道を急いだ。 「あの先輩達、こんな時間にあんなところで何してたんだろう?」 翔太は疑問に思って直矢にきいた。 だが、直矢は頬を赤らめ、「さぁ…」 と答えるだけだった。 直矢と翔太が寮に着いた頃には、もうすっかり夜が更けてしまっていた。
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