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個室の中は、思ったよりも狭かった。二人一緒にシャワーを浴びるとなると、自然と体同士が密着するようになる。
直矢は、胸の鼓動が高鳴るのを感じた。翔太の未発達な体は柔らかく、そして温かい。水で濡れたその肌が、髪が、いつもよりも色っぽかった。肌と肌が接している部分がじわじわと熱くなり、まるで電流が走るような感覚が直矢を襲う。直矢は、自分の下半身のある部分が熱を帯び、頭をもたげていくのを感じ、慌てて翔太に背を向けた。朝の生理現象と、物理的な刺激によるもの以外で、そこがこんな形になるのは産まれて初めてだった。誰か人や物に反応して、そうなってしまうなんて、今まで一度もなかったのだ。
これはまずいと直矢は思った。こんなことが翔太に知られたら、軽蔑されるに決まっている。直矢にとって、翔太を失うことが、一番怖かった。ここは何としてでも、切り抜けなくてはならない。
いつも一緒に風呂に入っているし、一緒に寝たり、じゃれ合ったりしても、平気だった。だが、こんな狭い密室で、裸で二人きりという状況が、まずかった。直矢は、何か関係ないことを考えて気を紛らわせようとした。だが、最近の出来事といえば、翔太と過ごした楽しい記憶しか思い浮かばず、どうしても彼と関連付けてしまう。
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