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その夜、布団に入ったが、予想通り直矢は中々眠れなかった。目を閉じると先程の出来事を思い出してしまい、それが眠りを妨げる。
眠りに就こうと何度も寝返りを打つが、下半身が熱を持ち、むずむずとしてどうにもこうにも治まらない。隣のベッドを見ると、翔太がすやすやと気持ちよさそうに寝息を立てている。おそらく、そう簡単には起きないだろう。
誰に教えられた訳でもなかった。本能に導かれるまま、直矢はパンツの中に手を入れて、熱く、硬くなったそれに触れた。
「あ…っ」
軽く触っただけなのに、思わず声が出てしまう。恐る恐る、上下に手を動かしてみると、今まで味わったことのない種類の快感が沸き起こる。
あの時の、翔太の柔らかい肌の温もり、酔いしれるような甘い匂いを思い出し、呼吸が乱れ体が熱くなり、どんどん快感が高まっていく。
「はぁっ…翔太ぁ」
突然、何かが出そうな感覚に襲われる。
(どうしよう、漏らしちゃう…!やめないと…!)
そうは思っても、あまりにも気待ちが良すぎて、もう後戻りはできなかった。
「ああ…っ!翔太…翔太ぁっ!」
思わず名前を呼んでしまうが、そんなことはもうどうでも良くなってしまうくらい、頭の中が真っ白になった。足がガクガクとして、とてつもない快感と共に、脈打つように溜め込んでいた熱いものが、何度も何度も放たれる。
「う…ん…直矢…」
隣のベッドから聞こえたその声に、思わずビクッとなるが、寝言であると分かり、ほっとする。
が、途端に、言葉では言い表せない程の罪悪感が襲って来る。
そして、ドロッとした白い液体で、手もパンツもTシャツも、その上に着ていたパジャマまでもが、ベタベタになってしまっていることに気づいた。
ああ、きっとこれが、前に保健の授業で習ったアレのことだ。
翔太を起こさないよう、こっそり手を拭き着替え、迷った挙句汚れたものはベッドの下に隠しておいた。明日の朝、みんなが起きる前に急いで洗濯しなければならない。
そして、直矢は今度こそ眠りについた。
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