175人が本棚に入れています
本棚に追加
先程から翔太と直矢の頭を悩ませているのは、天気図から等圧線の気圧を求める問題だった。
「えーと、『図2で点Pが通る等圧線が表す気圧は何hpaか?』ああ、俺こういうの得意だ!」
蓮先輩は、翔太と直矢に丁寧にわかりやすく教えてくれた。
「なるほど、こうすれば解けるんですね!」
「ありがとうございます!」
二人はお礼を言った。その後もテストまでの間、翔太と直矢は毎日、蓮先輩に理科の勉強を教えてもらった。そのお陰で、この問題だけはテストに出ても解けそうだと、翔太は自信がついた。
「翔太!翔太!起きろ!遅れるぞ!」
すべてのテストが終わった次の日の朝、翔太は直矢の声で、目が覚めた。
「うーん…直矢、巨大タコに襲われて…」
「一体どんな夢を見てるんだ?おい、寝ぼけてる場合じゃないぞ!」
「わっ?!もうこんな時間?!」
翔太は時計を見て飛び起きた。起きる予定だった時刻を30分も過ぎている。昨日テストが終わり、ほっとして気が緩んでしまったようだ。
「実は俺も今起きたんだ」
直矢は急いで着替えを始める。
「全然目覚まし気付かなかったよー」
翔太も遅れてパジャマを脱ぎ、制服のワイシャツに袖を通す。今日の朝ごはんは諦めよう。
最初のコメントを投稿しよう!