175人が本棚に入れています
本棚に追加
「いや、だからこれは染めたんじゃなくて、いつも海に入ってるから海水で傷んじゃって…」
「ふーん、それなら当然、下の毛も海水に浸かってるから傷んじゃってるよね?」
「いやっ…だから、そのっ…!」
「証拠を見せなさい!」
加藤先生が蓮先輩のズボンに手を掛ける。
「わっ!去年も見せたじゃないですか!」
蓮先輩はその手を振り解こうと、身をよじって抵抗した。
「だって、去年はつるつるだったから分からなかったんだもん」
蓮先輩の顔が、かあぁっと赤く染まる。
「ば、ばかっ!この変態教師!」
蓮先輩がそう言うと、加藤先生は嬉しそうにニヤリと笑った。
「蓮、君は先生に対しての口の聞き方がなってないようだね」
蓮先輩は、「しまった!」と言う顔をしたが、もう後の祭りだ。
「君にはお仕置きが必要だね。さ、生徒指導室へ行こう」
加藤先生は蓮先輩の腕を掴んで、ぐいぐいと引っ張って行く。
「わぁーっ!ごめんなさい!翔太ー!助けて!」
助けを求められても、翔太には何もできなかった。ただ、先輩の無事を祈るばかりだ。
「後輩に助けを求めるなんて、みっともない。ここは男らしく覚悟を決めなさい!」
「 嫌だぁー!うわぁーっ!」
「浩ちゃん後よろしくねー」
そう言いながら、二人は校舎の中へと消えていった。
最初のコメントを投稿しよう!