第8話 テスト勉強

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「あ!それ僕もだ!」 翔太は直矢に自分の答案用紙を見せる。その問題は、蓮先輩と三人で猛勉強したもので、天気図の等圧線上の気圧が何hpa(ヘクトパスカル)か求める問題だ。 「採点ミスかもしれないから、後で先生に聞いてみるか」 「うん、そうしよう」 放課後、一応生物部の顧問である鳴島先生は、第二理科室で簡単に見つかった。 「先生!この問題、どこが間違ってるんですか?」 「正解答と同じじゃないですか!」 翔太と直矢は鳴島先生に、テストの答案を見せる。 すると、先生は二人の答案を一目見てこう言った。 「えーと、これは、数字は合っているのですが、単位が違うのです」 「単位…ですか?」 「そうです。正解は1025hpa(ヘクトパスカル)。君たちのは、1025octpa(オクトパスカル)」 「げっ!本当だ!」 「全然気付かなかった….」 見ると、二人ともhpa(ヘクトパスカル)と書くべきところが全て、octpa( オクトパスカル)になっていた。 「もしかして、蓮に教えてもらいましたか?あの子は何度hpa(ヘクトパスカル)だと教えても、絶対octpa(オクトパスカル)と間違えるんです。思い込みが激しくて困ったものです」 「蓮先輩…ずっとoctpa(オクトパスカル)て言ってたから、僕てっきりそれが正しいと思ってた」 「俺も…」 「先生、あの…これ、おまけでマルにしてもらえないですか?」 翔太がきいた。 「ダメですよ。単位は大事ですよ。単位が違うと全く意味が違ってきてしまいますからね。これだと、まるでタコじゃないですか!」 「はい、タコです…」 「すごく、タコです…」 翔太と直矢は諦めた。そして二度と蓮先輩に勉強を教えてもらうのはやめようと思った。 第8話 終わり
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