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サクッとした衣の歯触りの後、アジの旨味にチーズのコク、大葉の爽やかさが加わって絶妙な味になっている。
口に入れた瞬間に、さとみさんの目が二倍くらいに大きくなったところを見ると、きっと同じ感想を持ったのだろう。
「ね、言っていた通りでしょ?」と、自分で作ったわけでもないのに、おそらく僕は得意顔をした。
さとみさんはそれにうなずいて、結構な勢いで食べ始めた。
ただし、おかずをつまみにビールを飲んで。
僕が「もう一本取りましょうか?」とたずねると、上目使いににっこりと口角を上げて大きくうなずく。
その勢いに合わせて飲んでいると、僕も少し酔いがまわってきて「ところで、さとみさんは普段、何をしている人なんですか?」と自然に聞くことができた。
さとみさんは「んー」と言いながら、しばらく遠くを見たあとに「退屈にしている人かな」と苦笑いをした。
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