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整形外科は外科系の中でもある意味特殊な科だと言えるかもしれない。
腹部外科はお腹の中で、眼科は目だし、脳外科は頭の中の手術を行う。
整形外科の専門は骨と筋肉と神経と、ということになっているのだが、顕微鏡をのぞきながら直径一ミリにも満たない神経や血管を繋ぐかと思えば、血しぶきをあげながら、電気ノコギリとノミとトンカチを使って骨を切り、ネジとプレートで固定する、そんな両極端と思われる手術が連日繰り広げられている。
最近の医学部は、成績がいいから医学部へ、という理由で入学してきた者も多く、毎年何人かが、整形外科の派手な方の手術中に倒れてしまい、看護師さん達に「またか」と溜息をつかれながら運ばれてゆくのだ。
何科の医者になるのかは、六年制の医学部を卒業し、国家試験に合格後、二年間の卒後研修を受けた後、ようやく決めることになる。
だから、それはまだまだ先の話なのだが、今回の実習を経て、この多種多様な手術を行うことのできる整形外科に僕は惹かれ始めている。
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