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僕たちは自動販売機の横のゴミ箱を開け、空き缶を二つ取り出して、それで公園の端にある桜の木の下に二人して穴を掘った。
木々の間は腐葉土になっていて、空き缶の端でも簡単に掘ることができた。
「なんて言うの?」
「えっ?」
「あなたの名前」
「蓮です。ハスって書いて、レンと読みます」
「蓮……。いい名前だね」
「ありがとうございます。あの……、あなたの名前も、聞いていいですか」
彼女は何故か地面の方を向いたまま少し微笑み「さとみ、です」とだけ答えた。
さとみさん……。
一生忘れることのできないこの名前を、僕はこの時に知った。
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