230人が本棚に入れています
本棚に追加
翌日もさとみさんは、猫に餌をあげていた。
今日はカリカリのキャットフードをポイッ、ポイッと弾き飛ばし、猫との距離が少しあった。
「あっ、蓮君!」
僕を見付けたさとみさんのその顔は、迷子になっていた子猫がようやく母猫を見付けた時のような、そんな表情をしていた。
「さとみさん、こんばんは」
僕はさとみさんに引き寄せられるよう、彼女の座るベンチに近付いた。
いや、今日の僕は最初から、さとみさんに会えることを期待して、この公園を歩いていたのだ。
年上なのに、守ってあげたくなるような、そんなさとみさんと会うために。
最初のコメントを投稿しよう!