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コンビニもレンタルショップも比較的近くにあって、でもそれよりも彼が住んでいる部屋はもっと近い。
帰りに、お酒とDVDを抱え部屋を襲撃してやろうか。
そんなことができるのなら、とうの昔にしているって! と、一人自分にツッコミながら左手でギアをドライブに入れた。
春には満開の桜が咲いていた公園の横を通り過ぎ、彼の住むマンションの前へ。
車をゆっくりと走らせる。
彼の部屋は二階の一番右の端で、帰ると言ったのに暗いままだ。
「もう、なんでよ!」
無意識のうちに声が出て、アクセルを踏み込もうと前を向いた。
だが道路の左端を人が歩いてくる。
さほど広い道ではない。
危なくないよう、そのままゆっくりと車を進めた。
二人連れ?
微妙な距離を斜めに開けて歩いている。
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