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だが、そんな事情は女子だけで、将来間違いなく有望なテツマは、たまに参加していた別大学のテニスサークルにいるお嬢様に獲られてしまった。
ならばすぐ蓮にアタックを! というわけにも、これがいかない。
蓮はテツマの一番の親友で、私の密かな思いを打ち明けるのには、それなりの時間が必要だった。
そして、ついにその第一歩を踏み出そうとした今日。
何故か私は、公園の脇にとめた車の中から一人、蓮の部屋を見上げている。
終わりの見えないこの時間は、とてつもなく不安定で。
強弱をつけながら、ずっと私の胸の中をかき乱し続けている。
「あっ」
部屋の電気が今、暗くなった……。
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