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相棒のバイク。赤を基調とするデザインで、側面には蛍光ブルーの色をした蜘蛛の巣を基調とするデザインのロゴが彫り込まれている。
そして、もう一人の相棒が、この記録の書物。
バイクの上で充電中だけれど、こいつには色々なものが記録されている。辞書、図鑑や小説など、一生かかっても読み切れないほどの量だ。
別名、スマートフォンと呼ぶらしい。けど、何処かスマートで、フォンなのか、未だに理解できていない。
このような、バイクやスマホなどの科学技術は、「オーパーツ」と呼ばれている。その価値は金よりも高く、動く宝石なのだ。
歩くこと数分。
ふと私は、徐々に砂が少なくなっていることに気が付いた。タイヤが軽くなり、歩く速度が全然違う。
これなら走れるかも。
私はバイクに跨ると、エンジンをかけた。
親指でアクセルのレバーをグッと押す。そして、指に力を入れるにつれ、バイクは景気のいい音共に、全身を始めた。
タイヤはしっかりと、砂の地面を掴んでいる。
風を切る空気を感じながら、
「気持ちぃいい」
と私は口角を上げながら、小さく叫んだ。
バイクが砂煙を上げて、砂漠に一本の直線を作り出す。
今この砂漠に、私は打ち勝ったような気がした。何もないキャンパスに、私だけの直線が描かれていくのが、なんともいない気持ちにさせる。
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