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久しぶりのバイクに乗る快感に浸っていると、遠くのほうに建物らしきものが見えてきた。蜃気楼じゃないか?と疑いはしたが、確かに建物のようだ。
近づくにつれてはっきりと建物が見えだす。石や岩で作られた建物のようだ。とても質素な建物がほとんどで、旧文明の面影さえ感じない。この時代に作られた建物であることは一目瞭然だ。
私は、視線を水が入ったタンクへと向けた。
水もほとんどないし、食料も補充しないと…分けてくれるかな?
バイクの音を立てながら、村の入口まで辿る付いた。
そこで、私はエンジンを止めた。
狭い道の両脇には、大きな岩が二つ鎮座して、私を歓迎しているようだった。
「あんた、旅人か?」
何処から現れたのか、村の住人が姿を見せた。
その台詞をきっかけに、まるでゴキブリのように村人が姿を見せ始めた。老若男女問わずに、私とバイクに興味深々のようだ。あっという間に、私は人の波にのまれた。
しまった。もっと遠くで、バイクを下りるべきだった。
大きな音を上げながら、村へと近付いたせいで、村中の人が集まってきたようだ。無理があると思うが、静かに村へと入れてほしい。
「ねぇ?あの大きな音は、これなの?」
小さな男の子が、私の手を引っ張りながら尋ねてくる。
「そうよ。バイクっていうのよ」
続けて、老人が私に、
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