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女戦士パルバティ
商業都市ホースト
この国の北方の『壁』より南街道を降りて来る時に出会う初めての商業都市である。
ずっと南に存在する王都周辺の都市ほどではないが、その規模はかなり大きい。
港から運河が通じ、異国の船の出入りがあり行き交う人々は多く。その中には他国語や珍しい香料の匂いが混じる。
そしてこのホーストで、港以外に有名なものがもうひとつ。大きな武芸競技場であった。
その競技場の中で、今、馬上槍試合が行われようとしているところであった。
晴れた空の下、集まった群衆たちの視線は競技場の端と端に集まっている。
ジャックはその一方の端にいる。
「おおぐまジャアアアック」
自らの名前が読み上げられ、ジャックは馬上槍試合の出場を申し入れたときのことを思い出した。
ジャックが馬上槍試合の申し込みをすると、受付の男はジャックを見あげる。
(熊のようだと思っている、と顔に書いてあるな)
そう思った。
大抵の男よりジャックは頭ひとつ以上背が高い。加えてジャックの胸板は厚く、太い首の上の顔には、大きな鼻と小さな目が、大きなごつごつとした丸い頭についている、その上には堅そうな茶灰色の毛がごわごわと生えていた。
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