女戦士パルバティ

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歓声は、パルバティ、パルバティ、という音を形作り始めていた。 どうやら対戦相手は有名な選手らしい。 ………パルバティとは珍しい名だな? ジャックは庇を閉じ、馬を位置に進めた。 鎧の中に包まれたからだが汗でじっとりと湿気る。 ……くそう、幼い頃から鍛錬をしてきたのに、このくらいで……。 ジャックは庇を閉じ、馬を位置に進めた。 鎧の中に包まれたからだが汗でじっとりと湿気る。 ……幼い頃から鍛錬をしてきた。衆目の中で勝負をしたことも一度や二度ではない……なのに。 ………しかし、あれがあってから勝負するのは始めてた………。 ホーンが鳴り、旗がはためいた。 ジャックは操られるようにして前に進んだ。 ヘルメットのわずかな隙間から相手が近づいて来るのが見える。猛スピードだ。槍の先がこちらに向く。自分も槍をあやつらなければ。 次の瞬間、ジャックは衝撃を受け、空を飛んだ。 そして気がつくと前に地面があった。馬に引きずられていたのだ。     
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