ねむってはいけない

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ねむってはいけない

 サイコパスは、重い瞼を持ち上げる。  いつからだろう……もうわからないや。  一度目を瞑ってしまったら二度と目を覚ますことがないんじゃないか……  いつからかそんな恐ろしい想いを抱いてしまい、眠ることを拒んできた。  サイコパスは、目をこする。  いや……ほとんど瞳を傷つけているといっても過言ではない。  痛みに刺激されてなんとか起きている。でもちょっと痛すぎるや。涙と血が瞳の上で混ざりあい外に流れ出しているのが見なくても分かる。というか、ぼやけて何も見えないけど……  サイコパスは、眠気と闘っている。  でも、もう無理かもしれないや。  限界だ……瞼が10㎏にも20㎏にも30㎏にも、果てしなく重くなっているのが分かる。  サイコパスは、瞼を切り落とした。  これで安心ね。これでだいぶ軽くなったわ。  これで……安心ね。眠る……ことはないや。  これ……で……あんし……ん……ね。こわ……く……ない……や。  サイコパスは、ねむった。
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