#プロローグ2

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#プロローグ2

ああ、遠くでサイレンの音が聞こえる・・・・・。 「ユイ、愛してる・・・・・・。」 ユイの元カレが所属しているホストクラブの店内、恭介と元カレの周囲に野次馬が雑踏としている中、その一言だけをこぼして恭介の意識は遠のいた。 そして次に恭介が目覚めたのは、さる病院の病室の中だった。 ベッドに寝かされた恭介の周りには、仰々しい姿をした警察官が何人も立っており、恭介が目覚めたと同時に刑事らしい背広の男が二人、枕元に寄ってきた。 「目が覚めたようだな。しかし、えらいことをしてくれたもんだ、この忙しい時に。」 恭介は一瞬何のことかわからなかったが、徐々に意識が覚めてくると同時に、自分の両手に痛みがあるのを感じ始め、そして虚ろに思い出していくのである。 「一応、教えといてやるが、お前が刺した例の男、今朝がた息を引き取ったぞ。これでお前を傷害致死容疑で逮捕しなきゃいけなくなった。わかってるな。」 恭介はまだ完全に覚めきっていない意識の中で、遠くから聞こえてくる刑事の話す声に反応すら出来ていなかった。 「午前八時十五分、傷害致死容疑の被疑者を確保。」 そう言って刑事は恭介の手に手錠をかけた。 ユイがいなくなって三週間ほどが経過したある朝の出来事だった。 そして、ここから物語の第二章が始まるのである。
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