二日目

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「やっぱり来たんだ」 結衣はベッドに座っている。彩香は近くにあった椅子を引っ張って、そこに座る。 「結衣が呼んだんでしょ。で、私に言う事ってなに?」 結衣が真っ直ぐ彩香を見て言い放った。 「このゲームには必ず勝てる必勝法があるの」 「どういうこと!?」 必勝法。この死のゲームに勝つ方法がある。このゲームから抜け出すことができる。そう考えると、思わず身体が前のめりになる。興奮が止まらない。 「今すぐおしえて」 「まぁ、落ち着け。必勝法と言ってもあと、三人いないとダメ。誘うの手伝ってくれる?」 彩香は大きく頷いた。 三人誘うのに時間は掛からなかった。このゲームに勝てると言ったら、すぐについて来てくれた。部屋にいるのは、彩香、結衣、友也、祐介、麻結。 「方法を説明するからよく聞いて。ここにいるのは五人。この五人でグループを作る。全員がカードの強さを明かす」 カードを明かすという言葉に、部屋の空気が一変したかのように、緊張が高まる。 「五人中、二人が強いカードを持っている人に投票、残り三人が誰か一人に票を集める」 「……なるほど。これで勝てる」 友也が呟く。彼の顔には微かな微笑みが見えた。 しかし、祐介が反論した。 「確かに、勝率が高まる。でも、これだと確実じゃない。グループ外の七人の票によっては、作戦が失敗することもある」 「じゃあ人を増やせば……」 「それはだめ」 結衣が即答する。 「このゲームに勝てるのは五人だけ。人を増やしたら、いずれグループ内で争いが起きる」 「でも、確実じゃないなら危険過ぎる。もっとよく考えれば……」 「納得できないなら出て行って。他の人を誘ってグループを作るよ。そうしたら祐介君負けるよ? それでもいいなら、いくらでも反論すればいい」 結衣の言葉に、祐介は反論することはなかった。 「全員異論無いね」
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