一日目

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「なんでお前みたいな奴の話聞かなきゃいけねえんだよ!」 和也がまた叫ぶ。 その直後、和也の首元が大きい音とともに光った。一瞬で和也の身体が仰け反り床に倒れた。 「……電撃?!」 誠が驚愕の顔を浮かべた。 倒れた和也が青ざめた顔でゆっくり立ち上がって、静かに椅子に座った。それにつられて続々と椅子に座っていく。 『デハコレカラ、ルールヲ説明シマ~ス』 淡々と一方的にされた説明に理解する余裕もなかった。 『皆サン椅子ノ裏ニ封筒ガアリマス。カードト詳シイルール説明ハ、ソノ封筒ノ中ニアリマス』 そう伝えられ、手で椅子の下の探る。すると、何かに触れ取り出すと、一枚の封筒。中には、ハート5のカードと説明の紙。 [ルール説明] 夜9時になったら、ホールに集合。一日に一回、二人の代表を決め持っているカードで対決。負けた方は消去。これが残り五人になるまで生きていればクリア。 [カードの強さ] 弱345678910JQKA2強 時には3が最強となる 彩香はこのルールを眺めていて、どこかで聞いたことのあるルールのような気がした 「これで一人一枚ずつカードを手に入れたことになるのか」 『デハ、夜九時にココへ集マルヨウニ』 放送はこれで切れた。部屋に再び沈黙が訪れる。誰も声も出さない。 痺れを切らした和也が立ち上った。 「何だよコレは!」 全員がまだ状況を理解していないようだった。 「消去って……消されるのか……?」 「私たちここで死んじゃうの?」 「……」 誰もがそう悟った。 「9時にならないと何も分からないようだし、出られるところ探してみないか?」 「そうね、9時までだいぶ暇だし時間つぶしにはなるわね。」 部活の部長健とクールな麻結が落ち着いた様子で話し、この部屋の唯一ある扉から出て行った。二人について行くように、何人かが出て行き、数人部屋に残った。 「……彩香」 低く、落ち着いた声。 「……結衣」 結衣は無表情のまま言った。 「来て」 そう言うと、この部屋を出て行った。彩香も急いでそれを追いかけた。
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