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全員がホールに集合した。
「どうだ、みんなちゃんと寝れたか?」
祐介が有り得ないことを聞いてきた。
「そんなの無理に決まってるでしょ 。たった一夜で死んだ人のこと忘れられるわけ無い」
麻結が答えた。
ホールの隅に花江の亡骸に毛布がかかっていた。きっと、花江の部屋の毛布だろう。各自の部屋には幸い鍵のない扉だった。
「……で、これからどうするの?」
詩織が聞き出した。
「黒幕の手がかりか何かを探そうと思う。なにか質問はあるか?」
「……本当に黒幕なんかいるのか?」
「でも、何もしないよりはマシね」
「黒幕が外から誰か観てるってことは無いの?」
彩香はそう思い聞いた。
「それは考えにくい。ここにはネットも繋がっていない。知っていると思うが俺たちの私物はクローゼットの中に入っている。その中の携帯の電波も繋がらず圏外だ」
この情報は全員が知っているようだった。部屋には冷蔵庫もあり、水と食料が入っていた。
「まぁ、特に話すこともないから、ここで解散して各自自由行動ということでいいかな?」
「それでいいでしょ」
みんなだんだんと散らばって行った。そこで彩香は思い出した。
(結衣の部屋に行かなきゃ)
彩香は急ぎ足で目的の場所へ向かった。
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