二日目

2/8
前へ
/48ページ
次へ
全員がホールに集合した。 「どうだ、みんなちゃんと寝れたか?」 祐介が有り得ないことを聞いてきた。 「そんなの無理に決まってるでしょ 。たった一夜で死んだ人のこと忘れられるわけ無い」 麻結が答えた。 ホールの隅に花江の亡骸に毛布がかかっていた。きっと、花江の部屋の毛布だろう。各自の部屋には幸い鍵のない扉だった。 「……で、これからどうするの?」 詩織が聞き出した。 「黒幕の手がかりか何かを探そうと思う。なにか質問はあるか?」 「……本当に黒幕なんかいるのか?」 「でも、何もしないよりはマシね」 「黒幕が外から誰か観てるってことは無いの?」 彩香はそう思い聞いた。 「それは考えにくい。ここにはネットも繋がっていない。知っていると思うが俺たちの私物はクローゼットの中に入っている。その中の携帯の電波も繋がらず圏外だ」 この情報は全員が知っているようだった。部屋には冷蔵庫もあり、水と食料が入っていた。 「まぁ、特に話すこともないから、ここで解散して各自自由行動ということでいいかな?」 「それでいいでしょ」 みんなだんだんと散らばって行った。そこで彩香は思い出した。 (結衣の部屋に行かなきゃ) 彩香は急ぎ足で目的の場所へ向かった。
/48ページ

最初のコメントを投稿しよう!

17人が本棚に入れています
本棚に追加