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昔からデッサンは得意だった。たいていのものは一度見れば、それを具現化することができる――、だからこそそれが、諸刃の剣になる事も、自分自身がよく知っている。
(僕はっ……)
鎖につながれた手で、浅ましく屹立した自分のものに触れる。血管を浮き上がらせた己の欲望を右手で握りしめて、上下にさする。
ずっと憧れていた、その人の前で。
脚を大きく開いて、淫らに堕ちていく様を全部晒して。
「……あっ、ぁっ……」
喘ぎ声が口を割る。
耳を塞ぎたかった。けれどそれすら許されない。
先走りの蜜が、先端で雫を作り始める。それもすべて隠せない。
「悦いのかい」
「あ、っ」
「言葉にして、伝えなさい」
「いいっ……」
言葉にした途端、また涙がこぼれた。
はしたない言葉を伝えて、身体の有様を全部教えて。
「空いている手で、ちゃんと乳首も弄りなさい。その爪の先まで、君ならちゃんと想像できるだろう」
「……ぁっ、あぁ、いや……、だ」
「怜、想像しなさい」
恐る恐る、頭の中で描く。
右手は屹立したものを弄りながら、ぷっくりと立った乳首を、左手の爪先でひっかく。
「ぁっ、……っ……」
愉悦が腰の奥に入る。咄嗟に口を噤んだ。
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