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「もっと啼きなさい」
「あぁっ、…ぁっ…」
乳首をつまみ、それを胸の板でこねるように、押しつぶす。
ぽつり、ぽつりと、昂った先端が蜜で滲んでいく。
達したいのに、絶対的なそれだけは手に入れられず、逆に苦しい状況に追い込まれていく。
意思とは関係なしに組んだ腕が解けかける。
「触れるな」
普段は聞いた事もないきつい口調で言われ、身体が震える。
「いかせ、て……っ、くだ、さい」
すすり泣き、顔をぐちゃぐちゃにしながら、怜は懇願した。
絶頂の寸前まで来ているのに、直接刺激を与える術は何もない。
下肢が刺激を求め、小刻みに震えている。
「触れずに、達きなさい」
「できなっ……」
いっそ、その鋭い瞳の矢で、息の根を止めてほしかった。
身体を撫でることしかしない、その瞳が、今は恨めしい。
涙を滴らせながら、あられもない言葉で切願する。
「……っ、欲しいっ……もっと、……」
触れる刺激が、足りない。
身体が熱を持て余しているというのに、まだ足りない。
その時、終止符を打つように、冷たい声が注いだ。
「それなら、身体の奥で感じなさい」
事務所を辞めろと言った時と、変わらない口調で。
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