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髪
サイコパスは、髪を洗っている。
肩下まである長く黒い髪を、丁寧に一本一本洗っている。
高級なシャンプーとリンスを使い分けながら、時間をかけて丁寧に丁寧に丁寧に丁寧に洗っている。
これが洗い終わったら次はあの子の髪を洗ってあげないと……
サイコパスは、奥の部屋から長い髪を持ってくる。
日光を当てると綺麗な輝きを放つ金色の髪。
黒髪を洗い終えた後はその金髪を洗い始めた。
手を消毒して、お湯の温度を調節して、髪をそっと撫で下ろす。
サイコパスは、艶のある髪の感触に鼓動が高鳴る。
いつからだろう……こんな快感を覚え始めたのは……
女性の綺麗な髪に触れているときが、唯一幸せを感じられる。
何時間でも、何日でも、何週間でも、何か月でも、何年でも、死ぬまで髪に触れていたい。
綺麗に手入れをして、清潔美しさを保ち続けることが使命であり、快感である。
この子が終わったら、次はあの子を洗ってあげないと……
その子が終わったら、次の子を洗ってあげないと……
その次もその次もその次も……ずっとずっと。
サイコパスは、呪いにかけられたように髪を洗い続ける。
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