1 謎だらけの 久城 藍斗

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選ぶ事、一時間半… ようやく決まった靴は予算ギリギリで…残金は320円しかなく あぁ、お昼が…… 久城君とファーストフードへ来たものの… ハンバーガー単品と飲み物しか買えず… 当の本人 久城君はダブルバーガーセットを頼んでるし… 本当、何なのよ… 「あれ、それだけで足りるの?」 「足りないけど仕方ないじゃない。靴弁償したんだから…… まぁ、代替えだけど… 私にとったら大金なのに…」 「へぇ… なら、これ食べたい?」 ビックバーガーセットに付いてくるLサイズのポテトを一本だけ私に差し出す ポテト…… 自然にゴクリと喉が鳴る… 「うん。食べたい」 くれるものだと思い、そのポテトに右手を伸ばした その時だった 「誰が あげるっていったの?食べたい?って聞いだけ。…んっ」 コイツは…… いや久城君は……何て意地悪なのだろう… 食べたい?と差し出したポテトを久城君は自分の口に放り込んだ そんなに………年上をからかって楽しいの…? この差し出した 右手の行方をどうしてくれよう… フツフツと苛立ちが立ち込めるのを抑えながら ゆっくりと右手を戻す そして、残りのジュースとハンバーガーを食べ終わると…席を立ち 「じゃあ先に帰るから…」 久城君の目を見ないまま私は そのまま その場を後にした 信じらんない。 何なの あの態度は 少し馬鹿にしすぎでしょ。 「私…やっぱり相当ナメられてるのかな」 下りのエスカレーターに乗りながら 一人言のようにポツリと呟くと 足早に家へと急いだ
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