1 謎だらけの 久城 藍斗

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面倒臭そうな事になる予感しかしない現状に、なんとかして この場から逃げようと 私は久城君の部屋で待つよう促した とりあえず、そっとしとこう。 勝手に部屋に入れた事、怒られそうだけど…… 家族だし、それに二人は双子の兄妹だもんね。大丈夫でしょ… 少し不安だけど…… そもそも私、関係ないし 部屋に籠ると気を取り直して明日の仕事の支度にとりかかった ・・・・・・・・・ 間もなくして玄関から物音が聞こえ、鍵を閉める音に久城君が帰宅したのだと 分かると 私は聞き耳をたてるように 自分の部屋のドア越しに背中をくっつける そして…… 「はぁ!?何でいんだよ!」 不安的中とは こういう事を言うのだろうか… 今、私の心拍数は急上昇中だ… 「ふざけんじゃねぇよ!あのバカ女!!勝手に入れやがって…」 うわ…ヤバイかも…… バカ女って私の事よね… ヤバイ… また怒られる? 今、願う事は一つ… こっちには来ないで…来ないでください!ただ、それだけ… 目を瞑り両手を合わせ祈る しかし…… その祈りも虚しくも崩れ去る
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