1 謎だらけの 久城 藍斗

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ドタドタと怒りに任せて歩いてくる足音に 体をビクつかせながら開けられないようにドアを押さえる なんせ相手は合鍵を持ってるのだから、鍵をかけるだけじゃ意味ない まぁ 私の力では すぐに開けられてしまうかもしれないけど… そして、ついに久城君が部屋の前まで来てカチャカチャとドアノブを回し鍵がかかってる事を確認したのち… この部屋の合鍵を使い カチャリと 開けられてしまう だが、私もそこまでは想定内… 深く息を吸い込み、ドア壁に両手をついた そして久城君はドアを開けようと押すが私は力一杯 押さえつける 「おい…ここ開けろ!話がある、出てこいよ」 うっ…… 滅茶苦茶、怒ってんじゃん そんな中で誰が素直に出るっていうのよ 無理、無理、無理!絶対ムリだから… バンバンと叩かれるドアと久城君の力も加わり 次第に私自身が押されていく… あ… ダメ…… 開いちゃう… もう、これ以上は…… バン! 「ひゃっ!」 後ろに跳ね返された私の体は床に打ち付けられ… 「痛っ…」 腰を激しく打ち、激痛に耐え右手でさすりながらも 何とか ゆっくり起き上がる 起き上がると目の前には仁王立ちで、こちらを睨み付ける久城君の姿 やば…… 後退りするも、すぐそこはベッドがあり… 当の久城君は部屋のドアを後ろ手で閉めると鍵をかけた そして ベッドに座り込み 行き場をなくした私は 久城君にそのまま 布団の上に倒され……
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