133人が本棚に入れています
本棚に追加
どういう事? 何で突然、泣くの?
訳が分からないまま、久城君を見ていると…
「藍斗!開けて!」
ドンドンドンとドアを叩きながら妹の藍那ちゃんが久城君の名前を叫ぶ
久城君の隙を見て、私は脱がされた衣服を簡単に羽織るとドアを開けようと立ち上がる
しかし、その行動は久城君の右手で阻止された
行こうとする右腕を掴み、鋭い視線を向け「開けるな」と睨み付ける
「離して、久城君」
久城君の手を振り切ろうと 思い切り腕を振る
「開けんなって言ってんだろ!」
久城君の掴む手に、よりいっそう力が込もる
さすがに痛くて 顔を歪ませるが、離してくれそうもない状態に、ドア越しに聞こえる藍那ちゃんの声
「久城君…!」
「開けないと、このドア蹴破るわよ!!」
えぇ!!ちょっとそれ困るんだけど
修繕費だって今、払える状況じゃないのにっ
本当… ここに来てから ロクな事がない……
私が一体、何をしたって言うのよ…
ただ私は騙されたようなものじゃん
女性だと聞かされたのに、ルームシェアは こんな捻くれた男子高生で、靴は弁償させられ、挙げ句の果てには妹が来るわ、、、 変な事をさせられるわ、、、私を軽い女だと勝手に思われるわで…
もう!散々よ
終いにドアまで壊されたら たまったもんじゃない!
修理にいくらかかると思ってんのよ!
「久城君…大人を舐めないで…」
私は鋭い視線で久城君を睨むと、力強く その手を振り解いた
そして… ズカズカズカとドアの前まで歩いて行き
鍵を開けると、思い切りドアを開く
最初のコメントを投稿しよう!