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「藍斗!大丈夫!?」
ドアが開くなり、飛び込んで来る藍那ちゃん
ちょっとちょっと、それ私が言われる台詞でしょう…
一応、被害者なんだけど
私の存在など無視して久城君に駆け寄る
「うっせぇよ。さっさと、帰れ!あの女のとこにな」
「ママの事… そんな言い方しないでよ」
「お前は何も知らねぇだろうが、あの女は…アイツは…」
藍那ちゃんに、何か言いかけたが 目を逸らし 言葉を濁す
「ママが何?ママは、私達の事 ちゃんと考えて…」
「うるさい! 藍那には 分かんねぇんだよ。俺がどれだけの仕打ちを受けてきたか… これ以上、しつこいと 俺はもう お前とは口聞かねえからな」
久城君の言葉に 顔を歪め 泣きそうになる藍那ちゃんは 浅く溜息を吐き…
「…分かった。今日は帰る。でも…… ママは お兄ちゃんの事 好きだって言ってたよ。離れて暮らしてても考えてるって… だから、少しはママの所に顔見せにきてあげてよ… 」
何も言わず、ただ俯く久城君に 藍那ちゃんはそう悲しげに伝えると そのまま 出て行ってしまった…
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