133人が本棚に入れています
本棚に追加
「え?盗み聞きなんて… ただ帰ってきたら、こうなってて… 別に聞きたくないわよ。人の やってる所なんて…」
……
「藍斗ー、誰?」
奥から女性の声が聞こえると同時に こちらへ歩いてくる足音も聞こえてきて…
扉の間から バスタオル一枚だけの姿をした 久城君より歳上の髪が長い女性が顔を出す
派手なメイクに、耳にはジャラジャラとしたピアスを付け、爪は真っ赤なネイルをし 私を、まじまじと下から上へと舐めるように見た後…
「誰?この、おばさん」
と 失礼極まりない発言を 今、会ったばかりの相手にそう口にしたのだ
「あーあ、しらけちゃったじゃん。せっかく、セックス楽しんでたのに… どうしてくれんの?コレ。あ、なんなら3Pでもする?どうせ、声聞いてムラムラしちゃったんでしょ?」
なんなの、さっきから…
見ず知らずの人に、おばさん呼ばわりされるわ
久城君に、馬鹿にされるわ…
本当、苛つくのよ……
「…もう、好きにしたらいい。けど、せめて自分の部屋なりホテルなり彼女の家でしてちょうだい。ここは私の家でもあるの。お金払って住んでるの。だから、共同で使用するものは断ってからにして。分かったなら そこどいてくれる?」
断固たる態度で久城君に言い返し、鋭く睨み付けた
二人の間を通り抜け、最後に一言「後、私…男に不便してないから、こんな子供相手にムラムラなんかしないし、3Pなんか面倒な事はしたくないの。じゃあ、それだけ」
再び背を向けると 颯爽と自分の部屋に戻った
食材が入った袋をバサッと床に置き、ペタンと座り込む
久城君って、謎だらけなんだけど…
何がしたいわけ?
本当、早くここから引っ越して一人になりたい……
最初のコメントを投稿しよう!