1 謎だらけの 久城 藍斗

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「え?盗み聞きなんて… ただ帰ってきたら、こうなってて… 別に聞きたくないわよ。人の やってる所なんて…」 …… 「藍斗ー、誰?」 奥から女性の声が聞こえると同時に こちらへ歩いてくる足音も聞こえてきて… 扉の間から バスタオル一枚だけの姿をした 久城君より歳上の髪が長い女性が顔を出す 派手なメイクに、耳にはジャラジャラとしたピアスを付け、爪は真っ赤なネイルをし 私を、まじまじと下から上へと舐めるように見た後… 「誰?この、おばさん」 と 失礼極まりない発言を 今、会ったばかりの相手にそう口にしたのだ 「あーあ、しらけちゃったじゃん。せっかく、セックス楽しんでたのに… どうしてくれんの?コレ。あ、なんなら3Pでもする?どうせ、声聞いてムラムラしちゃったんでしょ?」 なんなの、さっきから… 見ず知らずの人に、おばさん呼ばわりされるわ 久城君に、馬鹿にされるわ… 本当、苛つくのよ…… 「…もう、好きにしたらいい。けど、せめて自分の部屋なりホテルなり彼女の家でしてちょうだい。ここは私の家でもあるの。お金払って住んでるの。だから、共同で使用するものは断ってからにして。分かったなら そこどいてくれる?」 断固たる態度で久城君に言い返し、鋭く睨み付けた 二人の間を通り抜け、最後に一言「後、私…男に不便してないから、こんな子供相手にムラムラなんかしないし、3Pなんか面倒な事はしたくないの。じゃあ、それだけ」 再び背を向けると 颯爽と自分の部屋に戻った 食材が入った袋をバサッと床に置き、ペタンと座り込む 久城君って、謎だらけなんだけど… 何がしたいわけ? 本当、早くここから引っ越して一人になりたい……
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