第1章 氷姫のあられもない秘密

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第1章 氷姫のあられもない秘密

「嫌っ、うそ。…あぁ、だめ。…こんなの…」 考えてもみなかった。今日ここに来る時は、こんな姿にさせられるかもなんて。自由にならない手脚をふり解こうとする虚しい努力。羞恥に身を捩り、懇願する。 「ね、お願い。…これ、解いて。これじゃ、あたし」 「恥ずかしい?」 意地の悪い笑みでにやにやとわたしの全身を眺め回す。いくつかの授業で一緒になるので知り合った、今ひとつよく知らない男。今日で三回め。そろそろ潮時かな、と内心で考え始めてたのに。 そんな気配を察したのか。部屋に入るなり、これまでと違う所業に出てきた。いきなり服を剥ぎ取るように全て脱がされたのはそれほど驚きはしなかったけど。 全裸で部屋の片隅に置かれた椅子に座らされ、背もたれの後ろに両手を回されて何かで手首を固定された。かち、と金属的な音がしたから多分玩具の手錠か何か。そんなに重くはないし、締めつけがきつくもない。勿論自分で外すことはできそうにないけど。おそらくはその手の用途に使われる趣味の道具なのかも。 「何?…外して、こんなの」 憤然として声を強くするわたしにその男は全く動じる風もなく余裕の態度で告げた。     
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