ルピの光

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「畜生、男なら一対一で来やがれ!」  一行の前方を守っていたディアブラは、二騎を相手に苦戦する。  襲いかかってきた敵騎はそれぞれ、短槍を装備した小型機と、鎚矛を手にした標準的な機体で、両者とも明らかに鉄甲騎ではなく、下位の脚甲騎ではあるが、それは実の所こちらも同じである。  操縦士の叫びを無視した敵騎は、鎚矛(つちほこ)騎が手にした得物(えもの)を振り回してディアブラを牽制、その隙を突いて、小型機が足回りの良さを活かして後方に回り込もうとする。 「後ろに行かれたら、ひとたまりもありませんよ!?」 「狭い峡谷だ、抜かせねぇよ!」  機関士の警告に奮起(ふんき)した操縦士は、巧に操縦桿と踏板を操作し、自騎ディアブラの足を止めることなく、振り下ろされた鎚矛を剣で防ぎながら、同時に、後方へと回り込もうとした小型機の前方に立ち塞がり、その動きを阻む。  目論見を砕かれた二騎は、今度は正面から、ディアブラに攻撃を繰り出す。  迫り来る鎚矛を剣で受け流しながら、その脇から突き出される短槍を(かわ)す。 「やっぱ、二対一は分が悪いぜ……」  激しい金属音が響く中、操縦士は、敵の攻撃を必死に(さば)きつつ、受像器越しに敵の隙を(うかが)っていた。
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