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鋼鉄の巨人同士の激突するその足下でも、激戦が始まっていた。
当初、人狩りどもは馬上から反撃を試みたが、狭い峡谷では思うように動きが取れないのか、すぐに下馬、その尻を叩いて走らせる。
戦闘訓練を受けているのか、それほど取り乱した様子のない馬たちは、すぐに戦場を離脱し、そのうちの何頭かは三騎の鉄甲騎が乱闘する場所を巧に潜り抜け、更にその先へと走り去る。
馬を捨てた人狩り達は、それぞれ馬車や岩陰などに隠れ、思い思いに銃を発砲する。
そんな中、
「好き勝手やりやがって……目に物見せてやる!」
馬を既に失っていた二台の馬車、それぞれの御者が、こちらも戦闘準備に入る。
幌馬車の御者はその荷台に飛び込んだ直後、何か細工でも施してあるのか、覆っていた幌が一瞬にして剥がれた。また、それと同時にセレイ達のいる馬車、その屋根の上に乗った御者は、上部の[櫓]を放り投げるように取り外す。
二台の馬車、それぞれ露出した上部分と荷台に出現したのは、大型の固定式機関銃だった。一般的に見られる回転式多砲身ではなく、より小型の、新型機関銃と思われる。
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