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仕事もプライベートも難なく熟していそうな男の現実が知りたい。
そんな下世話な思惑があったのは違いないが。
中々来ない緩衝材、ビールは進み最初は話したがらなかった来栖だが、ぽつぽつと聞きだしているうちに、無口キャラだったイメージが見事に崩れ。
「そうは言うけど毎晩毎晩、電話なんてできないだろ。今日は何食ったとか誰がどうしたとかそんな話ばっかしてどうなんだよ」
「話の内容じゃなくて声が聞きたかったりただ話せればよいんだって! 女はそういうもんなの! 逆に小難しい話しろって言ってんじゃないんだから世間話くらいできるでしょうが!」
「できるできないの問題じゃねーわ、必要か必要ないかの話だろ!」
「だから話をすること自体が必要なんだって言ってんでしょ!」
オッサン居酒屋のカウンターでふたり、ヒートアップした。
どうして彼女はたかが誕生日であれほどしつこく食い下がったのか、それは普段から寂しいと感じたり中々会う時間が取れなかったり、何か他の要因があるのじゃないかと指摘したのだ。
そこから、話はあっち飛びこっち飛びしながら、現在電話のペース及び通話時間の話に辿り着いている。
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