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「……なんだ。あんな顔も出来るんじゃない」
「来栖、確かにべたべたするタイプでもないけどな。噂みたいに次から次にとっかえひっかえしてるわけでもないんだぞ」
「それはなんとなくわかったけど……にしてもあんなに喋る男だとは思わなかった」
まあ、溜まっていた鬱憤を吐き出す内容だったからかもしれないけれど。
まともに来栖と話したのは、これが初めてだった。
何しろ彼は、仕事中は無口でにこりともしなくて、挨拶か業務上の連絡事項でしか言葉を交わしたことがない。
「男同士で飲むときは結構喋る奴だよ。けどあんなにヒートアップしてんのは初めて見たな」
「そうなの?」
小野田から見ても珍しい姿だったらしい。
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