1.イベントの重要度

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「え……うん。クリームブッセの期間限定のテイストで、なんだけど」 そんな風に来栖から声をかけられるとは思ってなくて、私は思い切り目を見開いていた。 相手はパソコンに向かったまま、ちらっと目線をくべただけだったけど。 「季節もの?」 「じゃなくてもいいの。ただ、限定感は欲しくて」 「ああ……難しいよな。流行りの味はどこもバンバン出してくるし」 「そっちは何してんの」 「新商品のパッケージとか」 相談に乗る、というほどでもない、たださらっと互いの仕事の進捗状況を気にし合うような、仕事仲間なら普通にありそうな会話だが、来栖とは初めてだった。 そして、その翌日。
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