秋から冬へ、体温恋しく

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 すると、俺の睨みは効かなかったのか両手を頬にあてて、乙女のようなあざといポーズをしだした。 「しょ、処女だなんてそんな恥ずかしい……って、処女!? 勇さん、処女だったの!?」 「でかい声でさけぶな、ボケ犬!」 「だ、だって、衝撃的すぎて……」 「年齢のほうに驚けよ」 「いや、そっちも確かに驚いたけど、でも好きだし関係ないかなって。それより処女のほうが、だって、勇さん恋人いたって、じゃあ、その」 「連呼するな、馬鹿! お前だからくれてやったんだよ!」  新しい部屋は、生まれ変わった俺たちが幸せに暮らすための場所だ。 「そ、そんな男らしいところも大好き!」 「うるさい! とっとと荷物をまとめろって!」    きっと、にぎやかで楽しい毎日になるだろう。  end
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