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朝の7時30分。美咲は洗面台の前にいた。
制服のリボンの位置を直し、前髪を整え、ニコリと笑う。
「よし! 行ってきます!」
勢いよく玄関を飛び出した。4月の空は、気持ちよく晴れ渡っている。雲はゆっくりと流れ、太陽は燦々と輝く。すぅっと深呼吸すると、新鮮な朝の空気が、鼻腔を通って全身を満たす。
「あ~っ! 最高!」
この朝の空気が美咲は好きだ。。夜の汚れを洗い流した様な空気が大好きだった。
目一杯深呼吸をして、美咲は駅に向かって走り出した。
「よっ! 美咲!」
「紫乃! おはよ!」
紫乃は、小学校からの友達。顔も小さく、声も可愛い。オマケにスタイルも良くて、かなりの美人。 ……いいなぁ、私と違って。
しかも性格までいいから非の打ち所のない。
「はぁー、今日も可愛いなぁ紫乃」
「もー、美咲もかわいいって」
「……紫乃に言われても嬉しかぁない」
美咲は舌を出して独りごちた。
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