いつもの平穏《 さわがしさ》

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 瞬間、美咲の肩に衝撃があった。誰かと肩がぶつかったようだった。 「あ! ごめんなさい!」  振り返ると、そこには誰もいなかった。美咲は不思議に思い、固まってしまった。 「美咲ー! 行っちゃうぞー!」 「……あっ! 待って! いまいくー!」 (気のせいかな……でも確かに……)  怪訝に思いながらも、学校に遅れるわけにはいかない。美咲は先に行く紫乃を追いかけて走り出した。 「うっげー……体育の篠宮め……マラソンはないだろマラソンは……」  美咲は体操服のまま、机に突っ伏していた。 「確かにきつかったねー」 「篠宮のやろー、絶対あたしが走るの嫌いなの知っててマラソンにしてやがるよ」  くそ脳筋教師め、と美咲は吐き捨てた。 「口が悪いなぁ美咲は。そんなことないでしょ」  そう言って紫乃は体操服を着替え始めた。美咲は突っ伏したままその様子を見ている。 「おほ~、またとない眼福ですな~」 「こら! そんなにまじまじと見ない!」  紫乃は恥ずかしそうに胸を両腕で隠した。しかしそんなことでは、2つの大きな膨らみは隠しきれていない。 「いまいましい……その顔、そのおっぱい、そのスタイル、どれかひとつでもあたしにあれば……」 「も~、ほんとに怒るよ?」  紫乃は照れ笑いした。 「ええい! この乳か! えぇ!?」  美咲は紫乃の乳房を揉みしだいた。 「あん! やめて! 美咲も早く着替えないと男子来ちゃうよ!?」 「あ、そりゃまずい」  美咲も急いで着替え始めた。
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