童歌

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「…2日間?」 「そうよ。だって、今晩は大雪だもの。明日も車は出せないわよ。」 「そんな!そりゃ困るよ!俺達明後日は普通に仕事だもん!」  山中先輩がそう叫んだ。  今日は土曜の夜だ。  日曜まで宿泊したら、月曜も会社を休まざるを得ない。  そう伝えたのだが、長さんからの返答は冷たいものだった。 「そんなのは知らん。そもそも、勝手に神域に入りこんだ主らが悪いんじゃろが。それでも帰りたきゃ歩いて帰りゃいい。ただし今以降、夜の間は里の者は一歩も外に出ん。遭難しても助けは来んからな。」  長さん言う通り、元々悪いのは僕達なのだ。  それをこうして、食事と寝る場所まで世話してくれている。  僕達もそれ以上無理は言えなかった。  仕方ない…諦めて月曜の朝に電話を借りよう。  そう思ったのだが、先輩だけが納得していなかった。
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