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「あの芹ってコも、金持ちのボンボンに騙されてんだって!あんな綺麗なコが勿体ねえ!」
「ならどうすんすか?」
文句を言い続ける先輩に、直井が呆れた様子で問い掛けた。
「だから、あの芹ってコを説得して、道案内ついでに街に連れて行ければ!」
「勘弁して下さいよ!社には近付くなって言われたじゃないですか!これ以上のトラブルは御免ですよ!」
あくまでも芹さんに拘る先輩に、直井はそう言い返した。
「俺はお前らぺーぺーと違って、役職着いてんだよ!休めねえの!」
「はぁ!?大体、誰のせいでこんな事になってると思ってんすか!?」
と、2人とも興奮して再び喧嘩が始まった為、慌てて仲裁に入った。
「まあまあ!もう寝ましょう。女将さんからも、里の人達の話をよく聞くように言われてるし。仕事の事は、今回は諦めましょうよ。火曜にちゃんと謝れば大丈夫ですよ。」
そう2人を宥める。
そう…僕達は言われていたのだ。
民宿の女将さんだけでなく、芹さんにも【里の人達の言う事を聞け】と…
しかし、夜中に直井から声を掛けられた。
「おい田中!起きろ!」
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