代償

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「ん…何だよ?」  眠い目を擦りながら時間を確認すると、まだ2時を回った所だった。 「先輩がいないぞ!もしかして1人で帰ったんじゃないのか!?」 「え?嘘だろ!?」  慌てて隣を確認すると、横で寝ていた筈の先輩の姿が荷物ごと無くなっていた。  まさかと思い、僕達は慌てて玄関に駆け付けた。 「…やっぱり!」  玄関から、先輩の靴だけが無くなっていた。 「何考えてんだあの人は!」 「なんて自分勝手な奴だ!」  と、2人で騒いでいると、騒ぎを聞き付けた家の人が起き出してきた。  すぐに事情を説明し、先輩の後を追い掛けようと玄関を開けると、外には1人分の足跡が雪にしっかり残っていて、聞いた神社の方向に一直線に向かっていた。  しかし、先輩を追いかけようとする僕に、桜さんと長さんから待ったが掛かる。 「ダメ!」と… 「でも!まだ遠くまで行ってないだろうし!」 「主ら、遥や芹に何言われた?ワシらの言う事を聞くように言われたんじゃねえのか?」 「あ…でも…」
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