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童歌
案内された里は、限界集落と言われるような里だった。
【守人の一族】と言われた住人は全員親戚で、全家で神社の維持・管理をしていた。
つまり、1つの宗教が支配する里だった。
事情を話し巫女の女性に案内されたと伝えると、里長(さとおさ)と呼ばれた方が余所者の僕達を受け入れてくれた。
「遥の所の客で芹に案内されたんじゃ…なら、泊まっていきなせぇ。」
まだ夕方なので、麓に戻りたいと伝えた所
「今晩は雪が積もる。もう車は出せね。歩いて帰るなら止めはしねが、雪の夜の山道じゃ麓まで6時間は掛かるでな。命がいらねなら行きなされ。」
そう言われて僕達も諦めて、里長の家で暖を取らせて貰っていた。
携帯も繋がらない山中だ。
すぐに電話をお借りし麓の民宿に連絡を入れると、女将さんに多少怒られた。
「禁漁区だと言ったでしょう。無事で良かったけど。ともかく【長】や里の人達の話しを良く聞いてね。」と…
長さんに【遥】と呼ばれていた民宿の女将さんも親戚のようで、集落の人達と親交があるようだった。
だから禁漁区の事も詳しかったのだろう。
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